ササクレヒトヨタケエキス

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原料の概要

ササクレヒトヨタケはキノコの一種であり、楕円形の傘の表面がささくれてウロコのようになっていることからその名がついたものです。生息地域は世界各国に分布し、日本でも春から秋に自生している姿が見られます。ササクレヒトヨタケは和名であり、海外ではコプリーノと呼ばれています。そして食品としては柔らかな触感を持つことが特徴であるほか、希少な品種であるためヨーロッパや北米などでは珍重されているのです。そして、このキノコから抽出されたエキスがササクレヒトヨタケエキスです。

ササクレヒトヨタケには、高い抗酸化活性を持つ含硫アミノ酸の一種であるエルゴチオネインが豊富に含まれており、その含有量は他のキノコ類よりも5倍以上も多いことがわかっています。そして多くの動物は、エルゴチオネインを体内で生成することができません。そのため、エルゴチオネインがもたらす健康効果を得るためには、食事を通して摂取する必要があります。

期待できる主な作用

・抗酸化作用

ササクレヒトヨタケエキスに含まれるエルゴチオネインは、抗酸化作用が非常に高いことが確認されています。研究では、濃度依存的にスーパーオキシドラジカルを捕捉することが明らかになっています。また、過酸化水素などによる酸化ストレスが細胞に加わると、ミトコンドリアのDNAが損傷するなどの細胞障害が起こります。エルゴチオネインは、このような過酸化水素による酸化ストレスを抑制することが確認されています。

さらに、過酸化水素による脂質過酸化に関しても、エルゴチオネインが強く抑制することがわかっています。また、エルゴチオネインを発現できない細胞株においては脂質過酸化が亢進しているという情報も得られているのです。この点からも、エルゴチオネインが生体内抗酸化において重要な役割をもつことがわかります。

・抗光老化作用

肌の老化原因にはいくつか考えられますが、そのなかのひとつに紫外線による光老化があげられます。ササクレヒトヨタケエキスおよびエルゴチオネインは、この光老化でダメージを受けた皮膚細胞を回復させる作用も期待できるのです。

ヒトから採取した線維芽細胞 に、ササクレヒトヨタケエキスおよびエルゴチオネインを添加し、紫外線の一種であるUV-Bを照射しました。すると、一度は線維芽細胞の増殖活動は低下しましたが、その後有意に増殖活動が回復しました。またUV-Bによって、コラーゲンの分解酵素であるMMP-1や、炎症マーカーであるTNF-α遺伝子発現が増加します。しかし、ササクレヒトヨタケエキスおよびエルゴチオネインはこれらの遺伝子の発見を抑制し、UV-Bによるコラーゲンの分解や炎症を抑制することが明らかになっています。

・美白作用

ササクレヒトヨタケエキスは、メラニン生成の過程に働きかけることによって美白作用をもたらすという研究結果もあります。この作用を検証するために、B16メラノーマ細胞にササクレヒトヨタケエキスを添加しました。すると、ササクレヒトヨタケエキスは1mg/mlでメラニン生成を抑制しました。

またメラニン生成の過程には、チロシナーゼが関与します。ササクレヒトヨタケエキスおよびエルゴチオネインは、チロシナーゼ活性を抑えてメラニン生成を防ぐ作用があることも明らかになっています。

・抗炎症作用

ササクレヒトヨタケエキスには、有意な抗炎症作用も確認されています。検証では、マウスの脂肪前駆細胞を分化誘導して脂肪細胞に変化させ、TNF-αを加えた後ササクレヒトヨタケエキスを添加する方法で炎症マーカーであるIL-6(インターロイキン-6)の濃度を測定しました。その結果、IL-6の明らかな減少が認められたのです。

どんなサプリ(食品)に向いているか

ササクレヒトヨタケエキスは、主に抗酸化作用や美白作用を利用した美容目的のサプリや化粧品に多く用いられています。また、抗酸化作用を利用して口紅の退色を防ぐ添加物に使用されることもあります。

さ行の原料名一覧