パッションフラワーエキス

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原料の概要

パッションフラワーエキスは、多年生のつる植物であるパッションフラワーから抽出されたエキスです。パッションフラワーは日本ではトケイソウと呼ばれ、その名は花が時計に似ていることからつけられています。原産地はアメリカ大陸の中でも特に熱帯気候や亜熱帯気候に属する地域で、先住民が薬用に使用していました。その後、ヨーロッパをはじめ世界各国に伝わり、不眠や緊張などに対する鎮静作用がある薬用ハーブとして重宝されているのです。ちなみに日本では、「医薬品的効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に分類されています。

パッションフラワーエキスの機能性としては、体内時計(概日リズム)を正常化する遺伝子の発現増加による生活リズムの改善が主なものです。このエキスには、イソビテキシンやビテキシンなど複数のフラボノイド配糖体の存在が報告されています。

期待できる主な作用

・概日リズム改善

前述のように、パッションフラワーエキスには概日リズムを整えて体内時計の機能を正常化する作用があるとされています。この概日リズムは、日中に増加するPerやCry 、夜間に増加するBmalやClockといった時計遺伝子と呼ばれる遺伝子によりコントロールされます。これらの遺伝子のバランスにより、私たちの昼間の活動と夜の休息が正常に行われるのです。そのため、生活リズムが正常に整えられるほか十分な睡眠を取ることにもつながります。

パッションフラワーエキスは、線維芽細胞において時計遺伝子のうちPer2およびCry1のmRNA発現を検証したところ、両方のmRNA発現を増加させました。この結果より生活リズムのバランスを整える作用が期待できるのです。

また、鎮静睡眠薬であるペントバルビタールを投与したマウスを、緊張を解す作用を持つ睡眠薬・ムッシモールを投与したグループと、パッションフラワーエキスを投与したグループに分けた検証も行われています。その結果、これらのグループについていずれもPer2およびCry1の発現量が有意に増加したことが確認されました。つまり、パッションフラワーエキスには、ムッシモールと同様の睡眠改善効果があると考えられるのです。さらに同様の検証方法により、Bmal1 やClockについても増減が適正にコントロールされて概日リズムが整えられることが判明しました。

その他、睡眠と覚醒をつかさどるホルモンであるコルチコステロンの増加について、パッションフラワーエキスがどのように作用するかも評価されています。マウスにパッションフラワーエキスを与え、血中コルチコステロン量を測定した結果、有意に増加したことがわかりました。つまり、時計遺伝子に対する作用に加えてコルチコステロンの増加によっても、概日リズムの正常化が期待できるのです。

どんなサプリ(食品)に向いているか

パッションフラワーエキスは、生活リズムが崩れがちな人や不眠に悩む人などに向けたサプリメントへの利用におすすめです。不規則な生活になりがちな現代人にとって、パッションフラワーエキスは規則正しい生活リズムで健康に過ごすために有益な食品となるでしょう。

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