ライスプロテイン

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原料の概要

ライスプロテインとは米を原料とする植物性タンパク質を指すもので、日本人の健康を古くから支えてきた成分です。米は糖質を多く含む食品として私たちの生体活動に大きな役割を示し、糖質のほかに食物繊維などの栄養素も摂取できることから、健康維持に重要な役割を果たします。さらに発芽玄米にはミネラルも多く含まれており、機能性成分を食事で効率よく摂り入れられる食品でもあります。

その中で、米はタンパク質の供給を目的とする食品としても着目されています。玄米や白米にけるタンパク質含有量の割合はおよそ6%強~7%弱です。この数値を見ると少ない印象を受けるかもしれませんが、米を主食とする日本人においては、摂取しているタンパク質全体の内のおよそ15%が米からの摂取であるという情報もあるのです。このように、米タンパク質は日本人の生体活動の一端を担う重要な成分であることがわかります。

この米タンパク質を主成分としたライスプロテインは、栄養価がとても高いことがわかっています。たとえば、私たちの生体活動においてエネルギー産生に必要な必須アミノ酸含有量は、大豆を原料としたソイプロテインやエンドウ豆由来のピープロテインよりも高い数値を示すとされます。またライスプロテインのアミノ酸含有量は、プロテインの中でもアミノ酸が豊富なホエイプロテインとほぼ同じであることもわかっているのです。高タンパク食品として知られる牛乳を原料としたホエイプロテインは、筋肉増強に役立つBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)を多く含みます。そのホエイプロテインに匹敵するアミノ酸量は、ライスプロテインの機能性の高さを示す指標の1つとなるでしょう。

また、タンパク質の消化率に関してもライスプロテインは優れており、小麦やコーン、オート麦と比較したときにはライスプロテインの消化率が上回るとも言われています。そして、ライスプロテインに含まれる必須アミノ酸のうち、含有量の少ないリジンやスレオニンを併用すると消化率はさらに上昇するため、カゼインプロテイン(乳製品由来のタンパク質)の消化率を上回ることもできると言えるでしょう。

さらに、ライスプロテインはアレルギー表示の必要がなく安全な成分であるとされています。さらに米タンパク質には、アレルゲンとして一般的に認識されているグルテンが含まれていません。このような理由から、米タンパク質を主成分とするライスプロテインはアレルギーフリーであり、遺伝子組み換え原料でもないため安全であると考えられているのです。

期待できる主な作用

では、ライスプロテインがもたらす主な作用の詳細について下記にあげていきます。

・体重増加抑制

これは、ライスプロテインの作用の中でも主な要素を占めるものです。その機序は、ライスプロテインによってCPT1(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ)と呼ばれる酵素の発現が顕著になることによります。CPT1は、ミトコンドリアへの脂肪酸の取り込みを促進させて脂質の代謝を上げる役割を果たすとされており、その結果脂質代謝が活発になることで、体脂肪が減り、体重増加を抑えることにつながるのです。

マウスを使った実験では、まずマウスを通常の食事を与えるグループと脂肪量の多い食事を与えるグループに分けました。さらに脂肪量の多い食事のグループの一部に、ライスプロテインを1日1回1g(1㎏当たり)を経口摂取させました。その結果、ライスプロテインを与えたグループでは、単に脂肪量の多い食事を与えたグループよりも内臓脂肪が減少したのです。ちなみに、この方法の実験において肝臓でのCPT1発現率を測定すると、通常の食事グループ・脂肪量の高い食事グループと比べてライスプロテイン摂取グループは2倍以上の数値を示しました。この結果を受けてそれぞれのグループの肝臓重量を比較したとき、ライスプロテイン摂取グループは他のグループよりも重量が減少したことも確認されています。

上記の実験に加え、海外でもライスプロテインの実験が行われています。ラットにコレステロール値の高い食事を与え、その食事にライスプロテインを混合したグループと、カゼインプロテインを混合したグループに分けました。すると、ライスプロテイングループではカゼインプロテイングループよりも肝臓脂肪が減少したという結果も出ています。このような結果から、ライスプロテインは脂質代謝に有益な効果をもたらすことが示されるため、ダイエットにおいて脂肪代謝を高める運動やスポーツと合わせて用いることが推奨できると言えるでしょう。

さらに、これは参考程度の数値ではありますが、マウス実験においてヒラメ筋の増量がわずかに認められています。つまり、筋肉の増量によって脂質代謝を促進できる可能性があり、その効果も期待される作用の1つです。

・コレステロール減少

上記の海外でのラット実験において、高コレステロール食にライスプロテインを混合したグループでは、血中のコレステロール量が減少したことがわかっています。その減少率はおよそ2割にもおよび、人間における高コレステロール血症などの改善や治療に向けた利用方法も考えられます。

・乳化力

水と油は本来混ざり合うことのない物質です。これは、物質が同じ分子同士で引き合う表面張力が水と油で大きく違うためで、水の表面張力が油よりも強いことから、水と油を同じ容器に入れたときに油が上部に浮いてくるのです。しかし、食品や化粧品などの商品においてはこれらの物質を混ざり合わせる必要が出てきます。そのときに利用されるのが、乳化という現象です。乳化は、水と油のように混ざり合わない物質同士を混ぜ合わせることができる現象で、この現象を起こすための物性改良剤として乳化剤が広く用いられています。

そして、ライスプロテインにはこの乳化の力に優れていることが判明しています。乳化剤としては、ソイプロテインやホエイプロテインが使用されることが多いですが、ライスプロテインの乳化力はソイプロテインやホエイプロテインよりも高いことが証明されたのです。そのため、乳化剤として優れた効果を発揮するでしょう。

・その他の作用

上記にあげた以外の作用として認められているのは、米がパンよりも脂肪の合成や体内への蓄積量が少ない点です。また、骨成長の過程において、カゼインプロテインよりもライスプロテインの方が高い効果を示すこともわかっています。

どんなサプリ(食品)に向いているか

ライスプロテインは、健康食品の主成分としてタブレットやカプセルといったサプリメントに多く使用されます。また、ライスプロテインを使用した粉末ドリンクも多く販売されています。

そして、ライスプロテインの効果をより実感するためには、飲むタイミングが重要となります。では、タブレットやカプセル、パウダータイプのドリンクを摂取するタイミングについて、目的ごとに紹介します。

・ダイエット

主な作用の章で紹介したように、ライスプロテインには脂肪の代謝を向上して体重増加を抑制する作用が期待できます。そのため、ダイエットに用いることも効果的と言えるでしょう。そしてダイエットの際に適した摂取タイミングは、食事をする前です。食事前にライスプロテインを飲むことで、摂取した脂質の代謝が促進されるのはもちろんのこと、食べすぎを防ぐことも可能なのです。

一般的に、タンパク質を先に摂ることで快楽物質といわれるドーパミンの代謝が促進され、過剰な食欲を抑えられるとされています。さらに、タンパク質の摂取がインスリンの分泌を促し、食欲抑制に一役買っているとも言われているのです。この効果は、ライスプロテインにも言えることでしょう。

さらには、食欲を抑制できることから過剰な炭水化物の摂取もコントロールできると言えます。炭水化物は糖質を多く含む成分であり、摂取しすぎると余分な糖質が脂肪に変換されてしまうのですが、ライスプロテインであれば、脂質の代謝に加えて余分な糖質の摂取も抑えることができ、脂肪がつくのを防ぐという効果も期待できます。その他、単純に食事前にライスプロテインを飲むことでお腹がある程度満たされ、空腹感のあまりない状態で食事に臨めることから、食事量をセーブできるという面もあるでしょう。

・筋肉増強

筋肉をつけて均整の取れたボディを作るために、筋力トレーニングとプロテインの併用を行うと効果的であることはよく知られています。その理由は、トレーニングを行って筋肉が損傷・分解されている状態のときにプロテインを摂取することで、筋肉を作る成分であるプロテインが筋肉の修復・増強を行うためです。この効果はプロテインの成分が直接作用するものではなく、プロテインが体内でアミノ酸に分解された後に筋肉に吸収されることによるものです。そのため、上記にあげた主な作用には含まれていないものの、プロテインの摂取は結果的に筋肉増強を促すことにつながると言えるのです。そして、筋肉増強によりよい効果をもたらすためにも、摂取する適切なタイミングがあります。

筋肉増強に適したプロテイン摂取のタイミングの1つは、朝食を食べる前です。長い睡眠時間から目覚めたとき、私たちの体はタンパク質が不足した状態です。そこで、プロテインを摂取してタンパク質を補えば、筋肉を作るもととなります。もう1つのタイミングは、トレーニング後から45分以内です。この時間帯には使い込んだ筋肉が栄養を吸収しやすくなっているため、プロテインが効率よく筋肉の原料として機能するでしょう。

さらにもう1つは、寝る前のタイミングがあげられます。就寝中には成長ホルモンが分泌されており、1日酷使した体の組織を修復する作業を行っています。これは、筋肉に対しても同様です。昼間にトレーニングを行って酷使した筋肉は、就寝時に修復されてさらに強化されます。つまり、筋肉増強のタイミングはトレーニング時以外に就寝時にもあるということです。そして、プロテインを就寝前に飲んでおけば就寝時の筋肉の修復に役立ち、筋肉増強につながると言えます。さらにプロテインは成長ホルモンの働き自体も活性化するため、さらなる効果が見込めるでしょう。ただし、寝る直前に摂取すると胃腸に負担をかける可能性もあることから、寝る時間からおよそ1時間程度空けて摂取することが推奨されています。

上記にあげたようなダイエット効果や筋肉増強効果は、ライスプロテインのタブレットやカプセル、パウダーでも十分に発揮されます。特に体重増加抑制に関して優れた作用を発揮するライスプロテインは、美容を気にする女性や脂肪太りが気になる男性におすすめできる成分です。

ら行の原料名一覧